毎年の一時帰国、通信は「帰るたびに借りる」か「置いたままにする」か|帰る回数と滞在日数で、1年ぶんを数え直す
毎年1〜2回、数週間だけ日本に帰る人の通信費を、1回ぶんではなく1年ぶんで数え直します。帰る…
海外赴任や留学から日本へ戻ってくるとき、住まいや荷物の段取りは何週間も前から考えるのに、「スマホが日本の回線で使えるようになるのはいつか」だけは、空港に降りてから考えはじめることが多いようです。ところが実際には、飛行機を降りたその日に日本の回線を申し込める人は、ほとんどいません。契約の前に、役所の手続きがいくつか直列に挟まるからです。
この記事では、帰国した日から日本の回線が実際に使えるようになる日までを四つの段に分け、「自分の場合は何日空くのか」を自分で数えられるようにします。そのうえで、空いた日数ぶんの通信をどう持つと総額が小さくなるのかを比べます。料金は会社や時期で変わるので、ここで扱うのは金額そのものではなく数え方です。

「開通まで待つ」と聞くと、申し込んでから回線が使えるまでの期間だけを思い浮かべます。けれど帰国の場合は、申し込みにたどり着くまでに二段あり、使いはじめてからも一段あるのが特徴です。四つは直列なので、どれか一つが延びると全体がそのぶん延びます。
転入届は「住みはじめた日から十四日以内」に出すものとされています。ここで読み違えやすいのが、十四日以内というのはいつまでに出すかの期限であって、いつから出せるかの話ではない、という点です。
国外からの転入では、持ち物が国内の引っ越しと違います。自治体の案内では、パスポートに加えて、戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)または戸籍個人事項証明書(戸籍抄本)と、戸籍の附票が求められます(本籍地がその自治体にある場合は省略できるとされています)。つまり本籍地が遠い人ほど、役所に行く前の日数が先に乗るということです。
本籍地の役所へ郵送で請求するなら、請求書を送る日数、向こうで処理される日数、返送される日数の三つを足すことになります。帰国の直前に海外から請求できるかどうかも含めて、飛行機に乗る前に片づけられる唯一の段がここです。逆に言えば、ここを帰国後に始めると、空白のいちばん長い部分を自分で作ることになります。

転入届を出したその日のうちに住民票の写しを受け取れるかどうかは、自治体や窓口の混み具合で変わります。読者がここで取れる最短の行動は、推測ではなく窓口で「今日発行できますか」と直接聞くことです。できない場合でも、何日後になるかをその場で数字にできます。
同じ時期にマイナンバーカードの手続きも進める人は、カードを受け取れる日を別の列として見ておきます。申請から受け取りまでの日数は自治体の案内に出ているので、その数字を使います。そして見落としやすいのが曜日です。窓口はおおむね平日に開いているので、金曜の夜に到着した人は、その時点で最短が翌週にずれています。
ここでようやく回線の話になります。注意したいのは、本人確認に使える書類は会社ごとに違うことです。海外転出の届を出したまま日本を離れていた人は、戻ってきた直後は住民票がまだありません。申し込む前に、各社の「本人確認書類」の案内を開いて、自分がいま持っている書類で申し込めるかを確かめます。ここを飛ばすと、申し込みが途中で止まってから気づくことになり、空白がもう一段増えます。
申し込み方法によっても日数は変わります。オンラインで申し込めば、カードや端末が届くまでの配送日数が乗ります。店頭なら来店の予約と在庫の都合が入ります。カードを郵送せずに使いはじめられる方式を選べば短くなることもありますが、審査にかかる時間は読めないので、「最短なら」を前提に予定を組まないのが安全です。
回線がつながった日は、実はいちばん通信が集中する日です。アプリに入り直し、二段階認証の確認を受け取り、たまっていた写真が同期を始め、慣れない土地で地図を開きます。開通した日=落ち着いた日ではないので、空白の計算には開通後の数日も入れておくと、容量が足りない日を作らずに済みます。
下の表の右の列に、自分の数字を入れてみてください。合計が、通信を別に用意しておく必要がある日数です。
| 段 | 何を待っているか | 自分の日数 |
|---|---|---|
| 第一段 | 戸籍の書類を取り寄せて、転入届を出せる状態になるまで | 日 |
| 第二段 | 住民票の写しが手元に出るまで(窓口の曜日も含む) | 日 |
| 第三段 | 申し込みから、回線が実際に使えるまで | 日 |
| 第四段 | 使いはじめの数日ぶんの余裕 | 日 |
たとえば、金曜の夜に到着し、本籍地が遠方で戸籍の書類を郵送で請求し、回線はオンラインで申し込む人なら、第一段に七日、第二段に一日、第三段に四日、第四段に余裕を見ずに合計で十二日前後、という形になります。ここで出した日数が、このあとの費用計算の掛け算の片方になります。
| 持ち方 | お金の数え方 | 受け取りと返却 | 空白が伸びたとき |
|---|---|---|---|
| 空港などのレンタルWiFi | 一日あたりの料金×日数 | カウンターか宅配で受け取り、返却も必要 | 日数ぶん素直に増える |
| プリペイドSIM | 期間パックの単位ごと | 自動販売機や店頭で買える | パックを買い足す。使い残しは戻らない |
| 家族の回線に相乗り | 追加の出費はない形 | 受け取りも返却もない | 家族の残り容量を削る。混み合う時間に弱い |
| 容量を買って一台を置いておく | 買った容量ぶん | 一度用意すれば手元に残る | 日数では増えない。使った容量だけ減る |
表を金額に直すときは、先ほど数えた日数を掛けます。たとえば一日あたり五百円の手段なら、十二日で六千円、十八日に伸びれば九千円です。一日いくらで数える手段は、空白が読めないときほど不利になります。逆に、空白が確実に短いと分かっている人には、受け取ってすぐ使える手軽さが効きます。

なお、海外で使っていた携帯をそのまま日本で使い続ける選択もありますが、こちらは日数の数え方がまた別になります。費用の分解のしかたは海外の携帯をそのまま日本で使うといくらになるかでまとめています。
一つめは、返すためのお金と手間です。借りる形の手段は、返却の送料や、返しに行くための移動が後からついてきます。帰国直後は住まいが決まっていないことも多く、返却の宛先を決めるのが意外と面倒です。
二つめは、到着時刻のずれです。夜遅い便で着くとカウンターが閉まっていることがあります。受け取れなかった初日は、結局その日の通信を別の方法でしのぐことになり、費用が二重になります。
三つめは、空白が延びたぶんの差額です。戸籍の書類が思ったより遅れた、窓口が混んでいた、申し込みが書類で止まった。どれも珍しくありません。延長のたびに料金が増える手段を選んでいると、当初の見積もりが静かにずれていきます。
一つめ、空白の日数を自分で言い切れますか。言い切れるなら、一日あたりで数える手段がいちばん分かりやすい形です。言い切れないなら、日数で増えない形のほうが総額のぶれが小さくなります。
二つめ、到着したその場で受け取らないと困りますか。迎えや送迎があって当日の通信に余裕があるなら、空港で受け取る便利さに料金を払う必要はありません。
三つめ、帰国したあとも「使う月だけ」の通信が要りそうですか。帰国後も出張や帰省で月ごとのムラが続く人は、空白のために用意した一台をそのまま残しておくと、二度目の出費がなくなります。返す前提の手段は、この時点でもう一度ゼロから選び直すことになります。
通信量の目安は使い方で大きく変わります。地図や翻訳、写真の共有が中心なら小さめで足りることもありますし、動画や通話が多ければそのぶん増えます。実際の必要量は環境によって異なるため、はじめは少なめに用意して、足りなければ足す形が無駄になりにくいです。
使う月だけ使える、チャージ式のWiFi
旅行や出張のある月だけ容量を足して、使わない月は寝かせておけます。
365チャージWiFiを見る
[…] 住むために帰る場合の段取りは、帰国してから日本の回線が使えるまで、何日かかるのかで、手続きから開通までを日数に分けて書いています。 […]