毎年の一時帰国、通信は「帰るたびに借りる」か「置いたままにする」か|帰る回数と滞在日数で、1年ぶんを数え直す
毎年1〜2回、数週間だけ日本に帰る人の通信費を、1回ぶんではなく1年ぶんで数え直します。帰る…

子どもが部活や少年団に入ると、保護者の土日の過ごし方が変わります。朝に集合場所まで送り、昼は会場の隅で待ち、夕方に迎えに行く。この一日のあいだ、思っていたよりも通信を使っています。以下は、体育館とグラウンドに通う保護者の側から、通信の持ち方を三つに整理して比べたものです。速さや容量は会場と時間帯で大きく変わるので、数字はすべて目安として読んでください。
なお、平日の送り迎えで駐車場に一、二時間とどまるときは、必要な通信の形が変わります(車内で過ごす時間の組み立ては子どもの送り迎え、駐車場で待つ1〜2時間をどう使うかで扱っています)。ここで扱うのは、朝から夕方まで会場に居る土日のほうです。
持ち方を決める前に、その日に何が起きるかを並べたほうが早いです。部活と少年団の土日は、だいたい四つに分かれます。集合と解散の連絡、会場までの移動、試合や練習の記録、そして待ち時間です。この四つは必要な通信の性質がまったく違うので、ひとまとめに「ギガが要る」と考えると選び方を間違えます。
開始時刻の繰り上げ、雨天中止の判断、集合場所の変更。こうした連絡は文字と短い画像が中心で、データ量としてはほとんど無視できる大きさです。ところが届かなかったときの損失は大きく、別の会場へ向かってしまったり、解散に間に合わなかったりします。つまり連絡については、速さでも量でもなく「切れないこと」だけを見ればよい、ということになります。子ども自身に端末を持たせていない家庭では、保護者の一台が唯一の連絡口になります(手段の選び方は子どもにスマホをまだ持たせないなら、連絡手段はどうするかにまとめています)。
遠征は会場が毎回変わります。地図で経路を出し、駐車場の空きを調べ、道が混んでいれば途中で引き直す。地図は一日じゅう開いていても数十メガバイト程度ですが、問題は使う場所です。知らない土地の路地や、山あいの体育館へ向かう道で、ちょうど電波が細くなります。
もうひとつが記録です。試合の数分を撮って、チームの共有先へ上げる。写真を何枚か保護者どうしで回す。ここだけはデータ量の桁が変わります。文字のやりとりがキロバイトの世界なのに対して、動画はギガバイトに届きます。しかも送るのは上り方向なので、受け取るときより条件が厳しくなります。

体育館でつながりにくくなる理由は二つあります。ひとつは構造で、鉄骨とコンクリートに囲まれた広い空間では、外から届く電波が奥まで入りません。観客席の下や更衣室の近くでは、アンテナの表示が出ていても実際には進まない、ということが起きます。もうひとつは人です。大会の日は同じ建物に何百人も集まり、その多くが同じ時間に同じことをします。試合が終わった直後に全員が動画を上げようとすれば、電波そのものは立っていても順番待ちになります。これは花火や祭りの会場で起きることとほぼ同じ構図です(混雑する会場での備えは混雑した会場で通信を切らさない備えかたで詳しく書いています)。
屋外なら安心かというと、そうでもありません。河川敷や郊外の運動公園は、そもそも周囲に建物が少なく、基地局までの距離があります。晴れていて見晴らしがよくても、手元の表示は一本か二本という会場は珍しくありません。屋根がないぶん日差しで端末が熱を持ち、熱くなった端末は動作を落とすので、体感の遅さがさらに増します。
ここがいちばん厄介なところです。遠征は会場が毎回変わるので、先週うまくいった経験が今週の根拠になりません。自宅や学校のグラウンドで試しても再現しないのです。だから対策は「その会場で測る」ではなく、「どの会場でも崩れにくい持ち方にしておく」になります。
土日の通信の持ち方は、大きく三つです。いま使っているスマホで賄うか、会場まわりの無料の電波に頼るか、必要な月だけ手段をもう一つ足すか。順に見ていきます。
追加の契約が要らず、その日の思いつきで始められるのが強みです。ただし弱点がはっきりしています。まず、親のスマホが通信の親機になるので電池が目に見えて減ります。試合の合間に動画を上げて、帰りの道で地図を使おうとしたら残量が心もとない、という形で効いてきます。次に、きょうだいの端末やタブレットを同時につなぐと親機のスマホ自体が重くなります。そして連絡用の端末と記録用の回線が同じ一台に集まるので、そこが止まるとどちらも同時に止まります。
費用がかからないのは大きな利点で、商業施設が隣接している会場なら実用になります。一方で、学校の体育館や地域の運動公園では、そもそも開放されていないことが多いです。あっても大会の日は同時に使う人が多く、混み合います。さらに、不特定多数が使う電波で子どもの写真や動画を扱うのは、気持ちのうえでも引っかかります。使えたら助かる、程度に数えておくのが安全です。
連絡と記録を、親のスマホから切り離す持ち方です。親のスマホは連絡と電話に専念させ、動画の送信や待ち時間の視聴は別の一台へ寄せます。利点は、電池と役割が分かれること、そして家族の複数台を同時につなげることです。弱点もあります。荷物と充電するものが一つ増えること、そして会場の電波そのものが細い場所では端末を足しても劇的には改善しないことです。費用の面では、大会と遠征が集中する月と、ほとんど活動がない月の差を、そのまま出し入れできるかどうかが分かれ目になります。
| 見る軸 | ア テザリング | イ 無料WiFi | ウ 月だけ足す |
|---|---|---|---|
| 始めるまでの手間 | いまの端末ですぐ | 会場次第で事前に読めない | 受け取りと初期設定が一度だけ |
| 体育館の奥でのつながり | 親のスマホの電波しだい | 届く範囲が限られる | 条件は同じだが置き場所を選べる |
| 同時に使える台数 | 増やすほど親機が重い | 混雑時は不安定 | 家族の数台を前提にできる |
| 動画を上げる(上り) | 親のスマホの上りに依存 | 混雑時は時間がかかる | 送信を別の一台へ寄せられる |
| 電池 | 親のスマホが大きく減る | 端末側は減らない | 足した端末の充電が要る |
| 費用の出方 | いまの料金の範囲(超過時は別) | かからない | 使う月に出て、使わない月は寝かせられる |
| やめやすさ | いつでもやめられる | やめるという考え方がない | 使わない月を作れるかで決まる |
| 向いている人 | 年に数回・近場だけ | 会場が商業施設に隣接 | 活動期と閑散期の差が大きい |

ここは環境と設定でいくらでも変わるので、あくまで見積もりの出発点です。連絡の文字は一か月ぶん合わせても数十メガバイトに届かないことが多く、実質は無視できます。写真は一枚でおよそ二から五メガバイト、試合のあとに十枚ほど共有して数十メガバイトです。問題は動画で、数分の試合映像を高い画質のまま上げると一本で〇・五から二ギガバイトに届きます。待ち時間に子どもが動画を見るなら一時間でおよそ〇・五から一ギガバイト、画質を落とせばもっと小さくなります。地図は一日じゅう使っても数十メガバイトです。
この並びから見えるのは、月の合計を決めるのは連絡でも地図でもなく「試合の動画を何本、どの画質で上げるか」だということです。連絡と地図と写真だけなら月に数ギガバイトで収まり、毎週の試合をそのままの画質で上げるなら十ギガバイトの単位になります。自分がどちらなのかを先に決めると、必要な容量が一気に絞れます。家の回線で足りるかどうかを考えるときも同じで、増えるのは動画の分だということは学習用のタブレットでも変わりません(家庭側の増え方は夏休みに増える通信量と、つなぐ前の3つの確認に書いています)。
容量を考えるときは受け取る側に目が行きますが、部活の通信で効いてくるのは送る側です。動画の共有も、写真の受け渡しも、撮影したそばから走る自動保存も、すべて上りです。会場で「つながっているのに終わらない」と感じるときは、たいてい上りが細くなっています。打ち手は三つあります。送る本数を現場で絞ること、画質を一段落とすこと、そして全部をその場で上げないことです。確認してもらいたい一本だけ現場から送り、残りは帰ってから家の回線で上げる。これだけで会場での待ち時間はかなり減ります。決まった時間に通信の質が要る場面、たとえば画面ごしの習い事などは、はじめから家の回線と分けて考えたほうが安定します(その考え方はレッスンの30分だけ、家のWiFiと回線を分けるという考え方で整理しています)。
年に数回の近場の試合だけで、動画も帰ってから上げるなら、アのテザリングで十分です。会場が商業施設に隣接していて無料の電波が安定しているなら、イを主に使いアを保険に回す形になります。大会と遠征が特定の月に固まり、きょうだいの端末も同時につなぎ、現場から動画を上げる必要があるなら、ウのように使う月だけ足す持ち方が噛み合います。判断の分かれ目は活動の多さそのものではなく、活動がほとんど無い月があるかどうかです。毎月同じだけ使うなら据え置きの契約のほうが向きますし、季節で山と谷があるなら、谷の月に払わない形を選べるほうが一年の合計は小さくなります。
使う月だけ使える、チャージ式のWiFi
大会と遠征が重なる月だけ容量を足して、活動の少ない月は寝かせておけます。
365チャージWiFiを見る
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