紅葉の旧閑谷学校を半日で歩く|楷の木と紅葉全体で見ごろが分かれる理由と、山あいで通信を切らさない持ち方
旧閑谷学校は、楷の木と紅葉全体で見ごろの時期が分かれます。半日で講堂から木々へ歩く順番と、山…
朝、河童橋のたもとに立つと、空気がひんやりしています。標高およそ1,500メートル。真夏でも上高地の朝は、平地よりずいぶん涼しく感じられます(気温は日や時間帯によって変わります)。目の前には梓川の澄んだ流れ、その奥に穂高連峰。日本にこんな場所があるのか、と毎回思わされる景色です。
長野県松本市、中部山岳国立公園のなかにある上高地は、夏の避暑地として国内屈指の人気を誇ります。しかも歩くのは基本的に平坦な遊歩道。登山装備がなくても、この絶景の真ん中を歩けるのが上高地の懐の深さです。この記事では、夏の上高地の歩き方と、意外と見落としがちな「通信」の話をまとめます。

最初に知っておきたいのが、上高地は通年でマイカー規制がされているという点です。自家用車で直接乗り入れることはできません。一般的なアクセスは、長野県側の沢渡(さわんど)駐車場、または岐阜県側の平湯温泉あかんだな駐車場に車を停めて、そこからシャトルバスかタクシーに乗り換えるかたちになります。松本駅から電車とバスを乗り継ぐルートもあります。
また、上高地には開山期間があります。例年おおむね4月中旬に開山し、11月中旬に閉山するのが通例です(年により変動します)。夏はまさにベストシーズンですが、その分バスも駐車場も混みます。時刻や運行状況は当日変わることもあるため、現地での確認手段を持っておくと安心です。
初めてなら、バスを大正池で降りて、河童橋まで歩くコースが王道です。所要はおよそ1時間ほど。大正池は、大正4年(1915年)の焼岳の噴火で梓川がせき止められてできた池だと伝わります。水面から立ち枯れた木が突き出す独特の風景は、そうした成り立ちの名残です。自然が作った池、と言えばそれまでですが、百年ほど前の噴火の記録がそのまま風景になっていると思うと、見え方が変わります。

大正池から田代池、田代橋を経て河童橋へ。ここまでは平坦な木道と遊歩道が続きます。河童橋に着いたら、そこで引き返してもいいですし、体力に余裕があれば明神池まで足を延ばすのもおすすめです。河童橋から明神池までは片道1時間ほど、往復2時間ほどの行程になります。人が一気に減り、森の音だけになる区間があります。

標高1,500メートルの高原です。日中は日差しが強くても、朝夕は冷えることがあります。半袖だけで行くと、朝のバス待ちで震えることになりかねません。薄手の羽織るものを一枚、荷物に入れておくと快適です。歩きやすい靴、日焼け止め、飲み物も忘れずに。遊歩道は平坦とはいえ、大正池から明神池まで通せば距離はそれなりになります。
そして、上高地で意外と見落とされるのが通信環境です。正直に書きますが、山あいのエリアでは電波が届きにくい場所があります。WiFi機器を持っていけば必ずどこでもつながる、という話ではありません(実際の通信状況は場所・時間帯・回線・混雑度によって大きく異なります)。
それでも通信手段があると助かる場面は、はっきりあります。
そして、上高地のような場所でいちばん効くのは「入る前の準備」です。地図をオフラインで保存しておく、バスの時刻表をスクリーンショットで持っておく、待ち合わせは時刻と目印を先に決めておく。通信が細くなる前提で用意しておけば、圏外は怖くありません。この考え方は、キャンプやアウトドアでの通信の備えとほぼ同じです。混雑で電波が細る場面については夏の花火大会で「電波が入らない」を防ぐもあわせてどうぞ。
夏に上高地、秋に紅葉、年末に帰省。旅に出るのは年に数回、という人がほとんどだと思います。そのために毎月の固定費を増やすのは、正直もったいない。どのくらいの容量を選べばいいか迷ったら、モバイルWiFiは何GBのプランを選べばいい?も参考にしてみてください。
使う月だけ使える、チャージ式のWiFi。旅行や帰省のときだけ容量を足して、使わない月は寝かせておく。そんな使い方ができます。
夏の上高地は、登山をしない人でも日本アルプスの真ん中に立てる、稀有な場所です。マイカー規制と開山期間だけ押さえておけば、あとは平坦な道を歩くだけ。大正池から河童橋、余裕があれば明神池まで。羽織るものを一枚持って、朝の涼しい空気のうちに歩き出すのが、いちばん贅沢な楽しみ方だと思います。通信は「細くなる前提で準備する」——それだけで、旅の安心はずいぶん変わります。
コメントを残す