駅の改札を出たところで地図を開こうとしたら、手元の端末のランプが赤く点いていた。電波は立っているのに、電池のほうが先に尽きようとしている——外で通信が止まる理由は、実は回線そのものより電源にあることが少なくありません。
この記事では、外出先で「WiFiだけ先に電池が切れる」場面をどう回避するかを、三つのやり方で並べます。電波が届かない・遅いときの切り分けはモバイルWiFiが圏外になったとき、上から順に試す7つのことにまとめてあるので、ここでは電源が足りない側だけに絞ります。持ち時間や費用はいずれも目安で、機種・使い方・気温によって変わります。
先に切れるのは、たいてい通信のほうの端末
手元にスマートフォンとモバイルWiFiの二台がある場合、多くの人が充電の残りを気にするのはスマートフォンのほうです。ところが電波を出し続けている側の端末は、画面が無くても動き続けているため、待ち受けているだけでも電池は減っていきます。

一般的なモバイルWiFi端末の連続通信時間はおおむね8時間前後が目安とされています。ただしこれは「つないで使い続けた場合」の値で、鞄の中で電波の弱い場所を通ったり、接続する台数が増えたりすると、その分だけ短くなります。朝に満充電で出て、夕方にはもう心もとない——という体感は、決して端末の不調ではありません。
つまり外出先の通信は、回線の問題と電源の問題が別々に起きると考えておくほうが実態に近いことになります。ここから先の三つは、どれも後者への手当てです。
やり方① モバイルバッテリーを足して、端末を充電しながら使う

いちばん素直なのが、外付けの電池を一つ足して、切れそうになったら継ぎ足すやり方です。契約も設定も要らず、今日この場で始められます。
容量の目安としては、5000mAh前後のものでスマートフォンをおよそ1回ぶん、10000mAh前後で2回ぶんというのが一般的な言われ方です。モバイルWiFi端末は内蔵電池がスマートフォンより小さいことが多いので、同じ容量でも継ぎ足せる回数は増える傾向にあります。
弱点は二つあります。ひとつは荷物と重さが増えること。もうひとつは、電池が切れていない場面ではまったく役に立たないことです。電波が届かない場所や、速度が落ちている時間帯に持ち出しても、状況は変わりません。
やり方② スマートフォンのテザリングへ切り替える
二つめは、通信用の端末を使うのをやめて、手持ちのスマートフォンから電波を分け合うかたちに切り替える方法です。こちらも新しい契約は要りません。

利点は、切り替えが数十秒で済むことと、荷物が増えないことです。難しいのは、テザリングを使っている間はスマートフォンの電池の減り方がふだんより速くなるため、「切れる端末」が一台に集まってしまう点にあります。地図も連絡も決済もその一台に乗っているので、そこが落ちると打つ手が一気に減ります。
もうひとつ見落としやすいのが、契約しているプランのデータ量です。テザリングで消費するのは、当然ながらスマートフォン側のデータ量になります。月末に近い日ほど、この切り替えは効きにくくなります。速度が絞られたあとの過ごし方は速度制限にかかった月、残りの日数をどう過ごすかで整理しています。
やり方③ 使う日だけ足せる回線を、もう一本持っておく
三つめは、端末と回線をもう一組だけ持っておいて、必要な日だけ動かす考え方です。電池の問題と電波の問題の両方に同時に効くのが、この方法の特徴になります。
ただし、毎月固定で料金が出ていくかたちだと、使わない月のぶんがそのまま負担になります。1年持ち歩いて実際に使った日を数えた記録はサブ回線は本当に必要かにありますが、多くの人にとって「毎日要るもの」ではありませんでした。
そこで現実的なのが、チャージ式のように、使う月だけ容量を足せるかたちです。持ち歩くだけの月は動かさずに置いておき、旅行や出張、在宅勤務が続く月にだけ入れる。外せない予定がある日の備え方はオンライン面接の30分だけ、回線を二重にするにも書きました。
三つを同じ物差しで並べる
比べる軸は四つに絞ります。①今日から使えるか ②荷物が増えるか ③電池切れ以外にも効くか ④使わない月にも費用が出るかです。
①今日から使えるかで見ると、モバイルバッテリーとテザリングはどちらもその日のうちに始められます。回線をもう一本持つやり方だけは、手元に届くまでの時間が必要です。
②荷物で見ると、テザリングが最も軽く、次がモバイルバッテリー、最後が端末をもう一台持つかたちになります。ただし①の軽さは、そのまま「一台に集中する」という弱さの裏返しでもあります。
③電池切れ以外にも効くかで見ると、差がはっきり出ます。モバイルバッテリーは電源にしか効きません。テザリングは電波の種類が変わるので、場所によっては改善します。もう一本の回線は、電源も電波も同時に分散できます。
④費用で見ると、モバイルバッテリーは買い切り、テザリングは追加の負担なし(データ量は消費します)、回線の追加は契約のかたち次第です。ここで「使う月だけ」を選べるかどうかが、年単位では大きな差になります。
どれを選ぶか、場面で決める
ふだんの行動範囲が街なかで、外で使うのが地図と連絡くらいなら、モバイルバッテリー一つで足ります。無理に回線を増やす必要はありません。
移動が長く、電車やバスの中で仕事や動画を見る時間が長い人は、テザリングに寄せるとスマートフォン側の電池とデータ量の両方が苦しくなります。この場合は通信用の端末を分けたほうが、結果的に安定します。
そして、落ちたら困る予定が月に一度でもある人は、③の「使う月だけ足せる回線」を一本置いておくのがいちばん静かな解になります。ふだんは動かさず、必要な月にだけ入れる。電池も電波も、そこで初めて二本立てになります。
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