電車の座席にモバイルWiFiを置き忘れた。カフェのテーブルから消えていた。こういうとき、最初に頭に浮かぶのは「戻ってくるだろうか」ですが、数日たって効いてくるのはお金のほうです。しかも請求の形は、機器そのものではなくどんな契約で持っていたかで決まります。
この記事では、失くしたあとに残る支払いを「レンタル」「分割購入」「買い切り・チャージ式」の三つに分けて分解します。手順のほうは別の記事にまとめてありますので、ここでは費用の構造だけを見ていきます。具体的な金額は契約先の規約によって変わりますので、最終的には手元の契約内容をご確認ください。
失くしたあとに発生しうる項目は、たいてい4つ
事業者ごとに呼び方は違いますが、請求の中身はおおむね次の四つに整理できます。
- 端末の弁償金(機器損害金)=返せなくなった機器そのものの代金。レンタルでは必ず出てきます。
- 端末代の残り(残債)=分割で買っていた場合、手元に無くても支払いは続きます。
- 通信の基本料=回線を止めるまでは日割りや月額が発生します。止める連絡の早さがそのまま金額に効きます。
- 再契約・再購入の費用=つなぎ直すために新しく用意する費用。事務手数料が別に要ることもあります。
四つのうち一つ目と二つ目は「持っていた形」で決まり、三つ目は「気づいてからの動きの速さ」で決まります。つまり、契約のときにすでに半分は決まっている、ということです。

レンタルの場合
いちばん分かりやすいのがレンタルです。機器は借り物なので、返せなければ弁償金が発生します。月額は解約が成立するまで続くため、「紛失の連絡」と「解約の手続き」を別々にしないことが金額を抑える唯一のコツになります。片方だけ済ませて安心してしまうと、使っていない月の請求が積み上がります。
弁償金の額は規約の「機器損害金」「弁償金」といった項目に書かれています。契約時の書面かマイページで確認でき、たいていは端末の種類ごとに決められています。
分割購入の場合
端末を分割で買っていた場合、機器が手元から消えても残債は消えません。ここがいちばん誤解されやすいところで、「使えないのに払い続ける」状態が残りの回数だけ続きます。新しい端末を買えば、その支払いが上に乗ります。
分割の残り回数は、請求明細か販売元のマイページで確認できます。一括で清算できる場合もあるので、乗り換えを考えるときはその可否も一緒に見ておくと判断が早くなります。

買い切り・チャージ式の場合
端末を買い切っていて、通信は使う分だけチャージしている形だと、残るのは端末を買い直す費用だけです。借り物ではないので弁償金はなく、分割でもないので残債もありません。通信のほうも、チャージしていない期間は動きません。
もちろん、買い切りは最初にまとまった額を払う形なので、紛失したときは「もう一度その額を払う」ことになります。毎月の固定費は軽い代わりに、失くしたときの一撃は端末代そのもの、という配分です。どちらが自分に合うかは、持ち歩く頻度と、置き忘れやすい環境かどうかで変わります。
補償オプションは、つけたほうがいいのか
レンタルや分割購入には、月額数百円の補償オプションが用意されていることがあります。判断の目安はかんたんで、「弁償金や残債の総額」を「補償の月額×契約する月数」で割ってみるだけです。割った結果が一年ぶんの補償料より小さいなら、補償を付けずに自分で抱えたほうが安く済む計算になります。
ただし補償には、紛失は対象外で故障だけを見るもの、自己負担額が別に決まっているものなど、条件の差が大きくあります。名前が似ていても中身は揃っていないので、加入するなら「紛失・盗難が対象に入っているか」の一点だけは必ず確認してください。そもそも弁償金も残債も発生しない持ち方を選んでいるなら、この項目自体を考えずに済みます。
気づいた時点でやることは、連絡先を知っているかで決まる
三つの形のどれであっても、金額を左右するのは「止める連絡をどれだけ早く入れられるか」です。そして連絡先は、たいてい失くした端末の箱か、メールの奥に眠っています。契約したその日に、サポート窓口の電話番号と受付時間を、端末とは別の場所にメモしておく。これだけで、実際に困った日の初動が変わります。

どう選んでおくと、被害が小さいか
毎日持ち歩く人、外で使う時間が長い人ほど、失くす確率は上がります。その前提で考えると、月額の安さだけで選ぶより、「失くしたときに残るものが少ない形」を選んでおくほうが、結果として総額が安くなることがあります。弁償金も残債も無い形は、そのぶん最初の負担が大きい代わりに、後ろに引きずるものがありません。
使う月と使わない月の差が大きい方は、固定の月額を持たないチャージ式も選択肢に入ります。使わない月に払わなくていい、というのは、端末を失くして回線を止めている期間にもそのまま効きます。
コメントを残す